スペクトラムに量子的

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スペクトラムに量子的

臨床心理学について書くブログ

臨床心理査定の歴史と概観(知能検査編)

こんにちは。

臨床心理の業務は、「臨床心理士資格審査規程」第11条で以下の4つとされています。

  1. 臨床心理査定
  2. 臨床心理面接
  3. 臨床心理的地域援助
  4. 上記1-3に関する調査・研究

そこで今回は、「1.臨床心理査定」についてその歴史と概観について学んだことをメモしておきます。まず臨床心理査定は、体の個人差だけでなく、心理的な個人差への関心からスタートしました。ゴールトン(英)がその開祖だと言われています。彼自身が統計学者だったこともあり、個人の要素機能を実験的に測定するという手法をとりました。

次にゴールトン(英)とヴント(独)のもとで学んだキャッテル(米)が、1890年に初めて「メンタル・テスト」という言葉を使って、知的機能を測定しようとしたが、この試みはあまりうまくいかなかったようです。ちなみにこの頃は、多くのアメリカの大学生がヴントのもとで実験的心理学を学ぶため渡独したようです。

ここまでは、要素機能を測定していたのですが、まとまった機能としての知的機能を初めて測ろうとしたのがビネー(仏)です。彼は政府の要請を受け、知的遅滞の子どもについての知能検査を開発しました。精神年齢と尺度概念もここで生まれました。また、「フェティシズム」という用語を提唱したことでも有名です。

ビネー(仏)の検査は、ゴッダード(米)やターマン(米)によってアメリカに紹介されました。ターマンは「知能指数(IQ)」の概念を検査に取り入れ、1916年に「スタンフォード・ビネ知能検査」を発表しました。ちなみにゴッダードは優生学者でもあったようです。

ところで、ビネ式知能検査はその成り立ちから、成人の知的機能の測定が想定されていませんでした。そこで、ウェクスラー(米)は、1939年に成人を対象とした「ウェクスラー・ベルビュー知能検査」を開発し後に世界で広く採用されるようになりました。
*ベルビューは勤務していたベルビュー病院のこと

ウェクスラー式の知能検査では、知的水準を偏差値で表記しています。また、「言語性知能(VIQ)」と「動作性知能(PIQ)」という概念を提唱し、個別に測定できることで、個人内の得意・不得意分野が特定できることも特徴です。時代を経るにつれ、幼児用(WPPSI)、児童用(WISC)、成人用(WAIS)が順次開発されてきました。

これらの検査は改定が続いており、第3版では「群指数」という概念が導入されました。複数のIQと複数の群指数の評価を知ることで、より多面的な把握・解釈が可能になりました。さらに第4版からはIQを算出しないようになっています。

以上簡単に、臨床心理査定の歴史と概観(知能検査編)についてメモしました。個人差の関心から知的機能検査の開発が進み、それを用いて臨床心理査定を行うという流れを掴みたいと思います。

今回はこれまでに。